学校生活の様子

町校長会 県外視察(11/21午後~11/24)

2024年11月28日 08時25分

 甘楽町校長会は、4人の校長と町地域魅力化特命室長と教育委員会学校教育係長の計6人で、島根県隠岐郡島前地区(海士町・西ノ島町)へ研修視察に行ってきました。そのねらいは、海士町で行っている「教育魅力化プロジェクト」を視察し、その取組を甘楽町の教育や地域づくりに取り入れることです。出張経費は、万博国際交流プログラム(甘楽町はミクロネシア連邦と交流)の予算を活用しました。
 視察は、海士町の役場や小・中学校等を訪問し、町長、副町長、町顧問、町教育委員会課長、校長等から話を伺いました。

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「教育魅力化プロジェクト」は、約20年前に、海士町にある隠岐島前高校で始まりました。その当時は生徒数が減り、廃校寸前の危機に瀕していたそうです。開始当時、町職員が管轄の違う県立高校の先生方と意見をすり合わせるのに、かなりの困難を要したそうです。そこで、何年も粘り強く話し合いを続けた結果、一緒に高校のカリキュラム改革に取り組むことができました。特別進学コースや地域創造コースを設けたり、キャリア教育の充実を図ったり、魅力ある部活動を行ったりして、高校の魅力化が進みました。
 もう1つの特徴的な取組が「島留学」制度で、全国各地から生徒を募集しています。何もないこと(コンビニや娯楽施設がない)を逆手に取って、都会では経験できない自然体験や人情の温かみに触れることができると強調したそうです。
 これらの取組が功を奏し、今では入学者が大幅に増え、人気の高校になったそうです。また、町と県が協力し、島前高校の生徒の寮を町が運営する形をとっているそうです。

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 さらに、町の取組で参考になったのが「大人の島留学」制度です。この財源は総務省の「地域おこし協力隊」の費用が充てられているそうです。「地域おこし協力隊」という名目では募集せず、やる気に満ちた移住者を募集し、教育に関わる仕事や漁師や農業、酪農、さらには新たな仕事を開拓する人など、様々な職種に就く人がいるそうです。

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 そして、教育の分野では、「大人の島留学」制度で移住した人が「学習支援コーディネーター」となって活躍していました。彼らは公立の学習塾(隠岐国学習センター)で、高校生や中学生の学習支援にあたっています。そこでは、学習だけでなく、生き方支援(キャリア教育)にもあたっているそうです。また、教育支援コーディネーターとして小・中学校に勤務し、学校と地域社会とつなぐ役割をしている人もいました。社会科や総合の時間等で、講師となる地域人材を見つけ、交渉し、日程調整等を行っているそうです。

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 本校では、現在、4名の方がボランティアとして、別室支援等の学習支援にあたってくださっています。そこに、海士町のように「教育支援コーディネーター」を置き、教員とボランティアの連絡調整や、学校と地域人材をつなぐ役割をしてもらえるとよいと思いました。

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